実力重視の世界で学歴が役立つこともある理由

学歴が必要ないわけではない

PHPエンジニアはもちろん学歴なしで十分にできる仕事ですが、学歴が必要ないというわけではないんです。
まず基本として覚えておきたいのが、採用の際は、エンジニアとしての実力や可能性の有無が第一に求められることです。エンジニアとしての実力がどのレベルになるかは、すべて本人の努力の度合いにかかっていますよね。エンジニアになるために最低限必要といわれているのが、プログラミングに必要な理論的思考力やアルゴリズムに対する理解、読解力と論述力、コミュニケーション能力です。それらの力がどうやって養われるかという部分に目を向けてみると、学歴がないよりもあったほうがいい理由が少し見えてきます。
学歴があるということは、少なからず地頭を鍛えるための特訓をしてきているということです。大学へ入ることを目標に必死で勉強したり、大学に入ってから研究したりレポートを書いたりと、大きな課題をクリアするために頭をフル回転させなければならない環境が学生には常にあります。エンジニアにとって重要な読解力や論述力は、国語や英語などの語学学習から身につけることができるスキルです。直接プログラミングには関係なさそうな学習内容でも、その分野の学習で鍛えられる部分がプログラミングに深く関係してくるということなんですね。
学校で集団生活をしていれば、自然とコミュニケーション力が鍛えられます。これも学歴保持者の強みです。自分からコミュニティへと積極的に入っていけば、さまざまな人との関わりからコミュニケーションのあり方を学ぶことができますよ。

なぜ学歴重視の求人もあるのか

エンジニアの求人は条件が多種多様で、学歴一切関係なしの求人もあれば学歴を重視する求人もあります。学歴重視の求人を出す会社がある理由は、学歴を手にするまでの過程でエンジニアとしての素養が身についているという前提で応募者を評価しているからです。もちろん書類選考や面接などでその点はしっかりチェックされますが、学歴がある意味では資格のような役割を持つということなんですね。学歴がある人にはすべてエンジニアとしての素養が備わっていると採用側が思っているわけではないとしても、学歴重視とすることで採用活動をシンプルにできるんです。
企業としては少しでも能力があるエンジニアを採用したいですし、学校生活で鍛え上げられた実務能力や経験にも期待しています。学歴なしの人材を採用して1からエンジニアとして育成するよりも、素養はすべて身についた状態で採用したほうが人材育成という観点からも効率的ですよね。そう考えてみると、学歴関係なしにチャレンジできる世界とはいえ学歴はそれなりに役立つということがわかります。